中国で「春節」の大型連休が始まりました。
中国政府は今年の「春節」で、延べ90億人が移動すると発表しましたが、世界人口の約80億人を大きく上回っています。
これはどういうことなのでしょうか。
そこでこの記事では、「春節」の移動人数が世界人口より多い理由と計算方法、春節のおもしろい雑学をご紹介します。
ぜひ、最後までゆっくりご覧ください。
中国の春節で延べ90億人が移動!
「春節」はもっとも大切で伝統的な祝日とされ、中国全土がお祝いムード。
日本でも、横浜や神戸、長崎にある中華街で「春節」イベントが開催されています。
2024年の「春節」は、新型コロナによる移動規制が解除されてから初になり、中国政府は延べ90億人が移動すると予測しました。
でも、世界の人口はだいたい80億人、中国の人口だけだと14億人です。
さすがに90億人は多すぎない?と不思議に感じてしまいますよね。
なぜ世界人口よりも多いのか、詳しく調べてみました。
春節とは中国の旧暦で正月のこと
「春節」は「旧正月」、つまり旧暦の正月のことで、中国以外にも韓国、シンガポール、ベトナムなど12か国で「春節」を祝う文化が残っています。
「春節」過ごし方は、日本の年末年始と似ていて、帰省や旅行はもちろん、大掃除や縁起物を食べたり、新年を祝うイベントに足を運んだりするそうです。
2024年の春節は2/10(土)から2/17(土)まで連休
中国では「春節」は祝日で、学校や企業では「春節」を含んだ前後1週間ほどが連休になることが多いようです。
今年の春節は2/10(土)で、連休は2/10(土)から2/17(土)の8連休となっています。
ところで、西暦を使っている私たちから見ると、旧暦の正月は日付が決まっていないように見えますよね。
春節の日付が変わる理由は、西暦と旧暦で1か月の考え方が違っているから。
旧暦では、新月から次の新月になるまでを1か月としていて、1か月は約29日しかありません。
西暦の1か月は29~31日なので、日付がずれてしまうのは仕方のないことのようです。
ちなみに、旧暦の1月は、1月22日から2月19日の間で新月になる日が月初め、つまり「春節」になるわけです。
日本も昔は旧暦を使っていたので、カレンダーには今も「月」が残っているのかもしれませんね。
世界人口よりも多い計算の方法をわかりやすく解説!
「春節」の移動人数についての予測は毎年発表されていて、その移動人数の多さから「民族大移動」と言われることもあります。
中国政府は2024年の移動人数を、過去最多の延べ90億人と予測していますが、これは世界人口の80億人を軽く越えています。
いったいどんな計算をしているのでしょうか。
世界人口よりも多いのは「延べ人数」が原因だった
世界人口より多いのは、もちろん計算間違いではなく、「延べ人数」と言う集計の方法が原因でした。
「延べ人数」とは、一定期間に移動した人数の累計のこと、つまり同一人物も重複して数えます。
例)あるイベントの来場延べ人数 | |||||
---|---|---|---|---|---|
期間 | 1日目 | 2日目 | 3日目 | 4日目 | 5日目 |
来場者 | Aさん | Aさん | Bさん | Aさん | Aさん |
Cさん | Dさん | Cさん | Dさん | Bさん | |
Dさん | Eさん | ||||
計 | 2人 | 2人 | 3人 | 2人 | 3人 |
A~Eの5人しかいませんが、延べ人数は2+2+3+2+3=12人 |
中国政府が発表した移動人数は、春節の前後40日の間に地域をまたぐ人数を予測・累計したので、世界人口よりも多くなったようです。
ただ、去年の延べ21億人と比べて、今年の移動人数が大幅に増えたわけではありませんでした。
従来は鉄道や飛行機などの公共交通機関を使う人数を計算していましたが、今年は公共交通機関に加えてマイカーでの移動も含む計算に変わっています。
新しい計算方法に変えたので、移動人数が大幅に増えたような印象を感じたようです。
ちなみに、従来の方法で予測すると、移動人数は延べ18億人。去年予測の21億人より少なくなります。
好景気に見せたかったのでしょうか・・・。
春節のおもしろい雑学まとめ
日本と異なる海外の文化は興味深く、とても不思議でおもしろく感じますよね。
「春節」についても、おもしろいことがたくさんあったので、一部ご紹介します。
春節は「年獣」との戦いが由来
春節と言えば、赤い飾りつけや爆竹のイメージが強いですが、これはある妖怪との闘いが関係していました。
中国では、おおみそかに「年獣」と呼ばれる妖怪がやってきて、子供たちを食べてしまうという言い伝えがあり、「年獣」が嫌いな赤い飾りつけと爆竹で、追い払っていたそうです。
「年(獣)をやり過ごす」から転じて、中国では年末年始を迎えることを「過年」というようになったとか。
もちろん、諸説あります。
中国の1月1日はただの祝日
私たちにはなじみの深い1月1日、新年のお正月。
中国も1月1日は祝日ですが、盛大にお祝いをすることはなく、特別な食べ物や行事もありません。
日本の「明けましておめでとうございます」にあたる中国語「新年好(シンニェンハオ)」も言わないそうです。
春節にしてはいけないタブーがあった
日本の正月にしてはいけないタブーとして、「掃除をしない」「火を使わない」「刃物を使わない」などがありますが、「春節」にもタブーがあります。
- 掃除やゴミ捨てをしてはいけない
- 髪を切ってはいけない
- 泣いてはいけない
- 旧正月に嫁いだ娘は実家に帰ってはいけない
- お風呂に入ってはいけない
などなど
中国の「春節」では、福が逃げるようなことを避けて過ごす風習があります。
変わったものもありますが、日本と似たタブーもあって面白いですね。
まとめ
中国政府は「春節」の移動人数を過去最多の延べ90億人と予測していますが、これは世界人口の80億人より多い人数です。
世界人口より多い理由は、「延べ人数」と言う集計の仕方が原因で、一定期間に移動した人数の累計、つまり同一人物も重複して数えているからでした。
ただ、去年の21億人から大幅に増加した理由は、公共交通機関に加えて、今年からはマイカーでの移動も含めたから。
今年の「春節」は2/10(土)で、連休は2/10(土)から2/17(土)の8連休となっています。
「春節」の過ごし方は、帰省や旅行はもちろん、大掃除や縁起物を食べたり、新年を祝うイベントに足を運んだりするそうです。
日本でも、横浜や神戸、長崎にある中華街で「春節」イベントが開催されています。
ぜひ、この機会に足を運んでみてはいかがでしょうか。